2023年6月21日 投稿者: はや

成年後見制度 医療同意

医療同意とは、患者が、医療従事者から病状、実施予定の医療行為とその内容、予想される危険性、予後及び代替可能な他の治療方法等について説明を受け、検査、投薬、注射、手術等を受け入れ、生命や身体に対する危険を引き受けることにつき理解し、自由な意思決定により、 当該医療行為につき同意、選択又は拒否を表明することです。

後見人(保佐人・補助人)は、この医療同意を、本人に代わってできるのでしょうか。医療同意は、患者の一身専属的な権利ですので、成年後見人が行う代理権の範囲内には含まれないとする考えが一般的です。それでは、目前の問題として、親族がいないおひとり様の場合は現実的にどうすればよいのでしょうか。

医療同意の問題は、成年後見制度に限った問題ではありませんので、成年後見人が医療同意できるか否かといった狭い議論よりも、医療現場を巻き込み、判断能力のあるうちに高齢者の意思決定を支援するような、より広い視点での対応策が今後待たれるところだと思います。

マロン法務事務所